書籍・雑誌

桜七 #小野寺秀樹

プライムリーディングで読了。鮫島は戦場の記憶を持ちながらも何かの使命を持っていた。それは奈菜を守ること。平凡な会社生活は突然の大地震で崩れ去り、サバイバル生活が始まる。

映画みたいな描写で地震や街の崩壊などはCGでやったら面白そうだ。文章もやはり軽快でスピード感があって読みやすかった。ミリタリー関係も随所に含まれていて好きな人なら惹かれるはず。

ただ、どうも鮫島の汚い言葉遣いに慣れなかった。あと奈菜の影が薄い。元気な山田の方が印象に残った(笑)ダブルヒロインなんかな。冒頭に出て来た姉妹は何だったんだ。奈菜と関係あるのかと思った。何で藤森みたいないい奴が。

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足音にロック #奥田徹

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プライムリーディグで読了。死の足音が聞こえる。人材派遣の会社で営業をしている福岡は不気味な足音に気がつく。ある時、落とした財布を拾ってくれた謎の美女と出会う。彼女は福岡に贅沢な世界を見せるのだが……。

ミステリーっぽい不思議な物語。マンション隣の少年や職場の地味娘を巻き込んで福岡が少しずつ逞しくなって行く。謎の美女・鈴音の正体が何か不気味。読後感は悪くないのだが、死の足音って何だか大袈裟な感じはしたかも。面白かったけど。

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あひる #今村夏子

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プライムリーディングにて読了。あひるをもらってきた家族の話、ボケ始めたおばあちゃんの話、幼い兄妹が食べ物を漁る話。芥川賞候補になったらしい。これ、あひる話に出て来た資格試験受けてる女の子、おばあちゃんの家に行く女の子、男の子に「あれはサギよ」と教えてあげる女の子は同一人物らしい。なかなか面白い視点で描かれている。さくっと読めます。

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吉川英治「黒田如水」 #黒田如水

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Amazonのプライムリーディングにて読んだ吉川英治の「黒田如水」(ゴマブックス版)。うちの家系が黒田藩だったということもあり、黒田官兵衛公は特別な人である。

まだ小寺家で若い家老だったところから始まる。目薬を売っていたような家柄でもあったので周りの家老からは疎んじられていた。世は戦国時代。織田につくか、毛利につくかで運命は決まる。官兵衛の強力な推しで一旦は織田信長につくことに決まったのだが……。

豊富な語彙、よどみない文章、時代や人物を的確に表現する筆致による本書は一瞬たりとも読者を飽きさせない。信長の豪胆さ、秀吉との強い繋がり、竹中半兵衛との篤い友情、鋼の如き主従関係……存分に描かれている。特に主君・小寺氏に騙されて長年捕らえられていた箇所は官兵衛の苦痛と忍耐が入り交じって盛り上がった。

てっきり、もっと先まで続くかと思ったが、続編があるかのような雰囲気で終わっている。よく読むと、つまり官兵衛が故郷である姫路に凱旋したところなのだ。一番気持ちのよいところに終点を持ってくるとは流石である。普段あまり歴史小説は読まないが、非常に面白かった。またKindle(電子書籍)で読むと難しい単語をすぐに辞書で引けるのは助かる。

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読書の腕前 #岡崎武志

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前から読んでみたいと思っていたのがプライムリーディングに入っていたので早速読んでみた。読書の楽しみ、奥の深さっていうのが十分に伝わってくる内容だった。Amazonの感想でも読書家の人達が「自分はまだまだ」みたいな感想を漏らしている。まぁ私は読書家ていうほどでもないので気楽に読ませてもらったが、読み物として本当に面白かった。ベストセラーに対する辛口意見。古本屋賛美。意外にもブックオフも利用しているらしい。そこはかとない学校教育への批判も興味深い。本の保存の苦労。「バターはどこへ溶けた?」の書評が思わぬ騒動に発展したエピソードはなかなかの影響力を感じさせる。

それでも矢張り誰もが強い印象残ったようなのはH先生に読書スピードをチェックされた時に理不尽にも「(劣等生の)おまえなんかに、これが全部読めるわけがない」と勝手に読めた部分を書き直されたというエピソード。今なら大問題になるだろうが、訴えようもない昭和ではこういう糞みたいな先公は割と本当に存在した。あ、俺も英語の発音が良すぎて一回やられたわ。しかし、岡崎氏の場合は後から褒めてくれる先生が現れたので立派な読書家になれたのだ。人生において、こういう人は一人前になるのに不可欠。

古本屋というのは便利だが、尊敬する作家に金は入らない。そこにジレンマある。安く手に入るのは結構だが。そして、ついに私なんかは「読書の腕前」を読み放題サービスで殆ど無料で読んでいる。本の内容からすると皮肉でもある。電子書籍になっていないものは読めないが、ものすごい数の本が読み放題なのだ。紙の本も好きだが、誰でも大量の本を部屋に置いておけない。電子書籍は必然でしかない。

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君たちはどう生きるか #読書

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吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」中学生コペル君が叔父との対話を絡めて精神的な成長をしていく物語。人生をいかに生きていくべきか深く考えさせてくれる。

実は相当前にラジオドラマで少しだけ聴いて「いつか読まなければいけない」と思いながら数十年経ってしまった。日本少国民文庫の最終巻として1937年に出版されたものだが、普遍的な内容である。コペル君は日々、色んな事に気がついていくが、同時に悩んでいく。貧乏な友達、裕福な友達、短気な友達などの登場人物もいきいきしている。短気な友達の北見君が上級生からリンチされそうになった時、コペル君の取った行動とは……!? 教養+道徳がうまく混じり合った名作。

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怪獣小説「MM9」 #山本弘

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こちらも人気SF作家、山本弘。怪獣小説「MM9」だ。怪獣の存在する地球という設定で、怪獣災害を自然災害と位置づけて気象庁が担当している。担当部署である特異生物対策部の活躍を描く。 

単なる軽い特撮という感じではなく、いかに説得力を持たせるかという事に尽力しているところが素晴らしい。公務員という難しい立場で予算を気にしながら活動する姿はなかなかリアルである。物理的に大怪獣が存在するのは無理があるという部分を別な物理法則に従っていると設定したのは面白い。特撮番組に対する愛が満載で好きな人にはお薦め。

私もウルトラマンとか大好きなんだけど、いつのまにか興味を失っている自分に気がつき呆然。多分、近年のジャニーズのウルトラマンやイケメン仮面ライダーで荒らされてる特撮に愛想が尽きたんだと思う。そのせいか、この小説も「ウルトラQ」みたいな面白さはあるのは分かるが、ハマれなかった。

ドラマになったと聞いて驚いた。いやいや、まずいでしょ。って、読んでた時も思ったけど流石に全裸の美少女怪獣ヒメちゃん12歳はまずいと思ってた。ミンキーモモだってシャワーシーンないんだよ!?児童ポルノにあたりそうだからモザイクとか笑った……けど。ググったら山本弘は真性ロリコンなのかよ〜!?か、隠さずに公言するとか勇気ありすぎでしょ。気になる(笑)ドラマではヒメは存在自体を無視されていたらしい。そりゃそうだ。このヒメはウルトラマンに相当するキャラというのも微妙なところ。怪獣小説として素晴らしい出来なんだけど、ロリコン臭があるので台無しになっている。神話的な物理法則の関係で巨大化する時、服も一緒に大きくなるはずだろ!何でここだけ服が破けてるんだ(笑)自重しろ。

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敵は海賊・海賊版 #神林長平

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日本SF小説界の大人気作家の一人・神林長平の「敵は海賊」シリーズの一つ。宇宙を経済も政治も支配する宇宙海賊ヨウメイを追いかける猫系宇宙人刑事ラテルとアプロの大冒険である。火星で行方不明になった王女を探しにきた侍女のシャルファフィンは海賊ヨウメイに探し出すように依頼する。だが、それはパラレルワールドを巻き込んだ陰謀の一端に過ぎなかった……彼らを追ってパラレルワールドに来たラテルとアプロも絶体絶命のピンチ!SFファン納得の世界観、アクションあり、美女あり、コミカルな会話が冴え渡る。

なんだけどぉ……どうも俺には合わないんだよね日本のSF。俺の根っこにスタートレックがあるせいなのか。アニメになれば大丈夫なんだけど、ラノベ的な会話って苦手らしい。「ムフン」「わー」とかいう漫画ちっくな台詞が出てくると、もう駄目。しかも「アプロ、避ける」みたいな台本みたいな文章もなぁ。日本ってつくづくアニメや漫画が優秀すぎて実写や小説を駄目にしたなと思う。で、案の定、神林長平の小説はアニメにもなってるわけよ。俺みたいにアニメや漫画が好きすぎると、逆に小説にそういうエッセンス入れて欲しくない人間もいる。まぁ、俺は特殊なんだろうけど。冲方丁やSF戦記も全く肌に合わないし……なんでだろぉ。

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アルジャーノンに花束を #ダニエル・キイス

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今更ながら「アルジャーノン」を読んだのだった。ぼんやりとネズミの話だと知っていたのだが、かなり違った。チャーリィ・ゴードンは白痴だが、心優しい32歳の青年。ある時、手術により超天才に変貌する……が、それによって悲劇が彼を襲う。

知識が人と人の間に溝を作る。それは我々も普段から感じている事かもしれない。白痴ながらも友達がいっぱいいると信じていたチャーリィだったが、知性に目覚めると実は笑い者にされていたと気づく。自分を手術した学者達よりも知識を得た彼は傲慢になっていくのだ。しかし、終盤になって「愛のない知識は無意味」という事に気づきはじめて愛を求める。その知性にも陰りが見え始めると彼は半狂乱に。

長い小説だが、一気に読んでしまった。チャーリィの拙い「経過報告」がどんどん知的になっていく。人間の複雑な心理状態を存分に描いている。白痴の人も人間なのだ。それを忘れてはいけない。アルジャーノンは彼と同じく知能を高める手術を施されたネズミの名前である。本当にチャーリィの事を理解してくれたのは、そのネズミだけなのだろう。

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小説「野火」 #野火

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大岡昇平「野火」は大東亜戦争(太平洋戦争)にてフィリピンの島で結核に冒された田村一等兵の物語だ。市川崑、塚本晋也によって映像化されていて先にそちらを観た。NHKの番組「100分de名著」でも取りあげたので、そろそろ読む事にした。

肺病を煩った田村は戦えないので病院に行くことになった。入院を拒否されたら自決するように命令される。しかし病院は米軍に襲われてしまい、田村は一人逃げているうちに原住民達の「野火」に強い興味を抱くようになる。飢えと絶望の果てに見たものは……。

空戦・海戦ドラマとかだと多少かっこいい部分もあるのだが、陸軍の最前線とか悲惨すぎる。補給が来なくて絶滅。フィリピンの島で極限状態で人間はどうなるのか。どうなってしまうのか、人間としての尊厳など保てないのだ。安田や永松を責められるだろうか?
「戦争を知らない人間は、半分は子供である」

反戦でも戦争賛美でもなく、置き去りにされた兵隊の日常が淡々と 描かれている事に恐怖さえ覚える。「猿の肉」さえ食べる日本兵に比べて米兵の余裕も対照的だ。これが戦争の現実だろう。戦争前は誰もが勇ましい事を口にする。「勝てばいいんです」そんなわけない。最前線に出される兵隊の心は壊れてしまう。そんな犠牲を払ってまで我々は戦争するべきなのか。あの頃、戦争は本当に仕方ない事だったのか?そして、今は?勇ましい戦記の真実を知るなら読むべき一冊は「野火」だ!!二つの映画も素晴らしいので、そちらもお薦めしたい。

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