書籍・雑誌

2018年2月 7日 (水)

ファイアスターター湯川さん #中田永一

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「空気が乾燥している冬の時期、もっともおそろしいのは火災である。俺が住み込みで管理人をつとめる木造アパートに、湯川という女性が引っ越してきた。しかし彼女にはおそるべき秘密があったのだ。冬の木造アパートに、決して入居させてはならない危険な人物、【発火能力】を持った湯川さんが俺を困らせる!」(Amazonより)

プライムリーディングにて「fire starter Yukawa」。表紙のKEI氏は我らが初音ミクの生み親の一人。で、読んでみたのだけど、なかなか読み心地はいいように思う。生真面目な主人公に好感が持てた。アパートの住人もめぞん一刻のようで楽しい。そこへ可愛らしい女の子・湯川さんがやってきたのだが……。湯川さんも魅力的に描かれていた。が、彼女には秘密の能力があったのだ。ハードな展開が(物理的に)燃える。

あれ。以前に読んだ「1ナノ秒のリリス」に似てる。まぁ、平凡な男子の所に問題抱えた女の子が転がり込むというのは定番っていえば定番なんだけどねぇ。表紙のイラストが可愛すぎて合ってない。「リリス」の時もそうだな。萌えイラスト使わないと売り上げ伸びないってわけか。ラノベ(系)って可愛い絵柄に反して残虐な描写が多々あるのは可愛いだけじゃ飽き足らないって事なんだろうね。それって怖い。シュワルツェネッガーが敵を倒すのとは違うような気がするんだけど……。

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2018年2月 6日 (火)

読みたくない #小説

「これ有名だし人気だから読んでみよう」という場合もある。ところが読んでみると何か高校生の主人公がチョイ不良だったり、主人公の話し方が気持ち悪かったりして序盤で嫌になる事がある。いや、我慢して最後まで読む必要ないよなぁ。小説読むのって割と時間かかるから面白くない時はすぐにやめた方がいい。

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2018年2月 4日 (日)

木枯紀行 #若山牧水

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青空文庫で読了。そんなに長くない紀行文だが、相変わらず面白い。どうして紀行文なのに、こんなに面白く書けるのか不思議で仕方ない。たまたま出会う人達や歌の仲間達と精一杯楽しく過ごせるなんて素敵だなぁ。そして自然の中を旅して歩き続け、あちこちに泊まり歌を詠むのだ。

今回は富士の麓。いよいよ雪も舞い降りてくるような季節である。まぁ、そんな事は置いておいても。「ランプ部屋居士」には笑った。中村柊花という牧水の親友なのだが、飲みすぎて意味もなく宿屋のランプ部屋でボーッとしていたのだ。それを牧水がからかって「ランプ部屋居士」と書いている。他にも笑いキノコのエピソードとか。考えみたらラノベでさえ文章に笑いを誘うような表現ってないよな。こんなユーモアのある文をさりげなく書けるって本当に素晴らしいよ!!

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2018年1月22日 (月)

レンズマン #レンズマン

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プライムリーディングにて「レンズマン」一巻のみ読了。銀河系に跳梁する正体不明の宇宙海賊ボスコーン。超兵器を操り襲撃を繰り返す彼らに立ち向かうは、銀河文明を守るパトロール隊とその精鋭、レンズマンである。新人レンズマンとなったキムボール・キニスンは、決戦に赴くべく、新兵器“Q砲”を搭載した最新鋭艦〈ブリタニア〉号で出撃する! 完全新訳で贈るスペース・オペラの金字塔!(Amazonから)

昔アニメで見たな。なかなかボリュームあったぜ。キムがレンズマンになるところから始まる。そして早速宇宙に出発するのだが、超能力の使い方に戸惑いながらもボスコーンとの戦いを開始する。様々な困難に遭い、失敗を乗り越えて最後には組織に束縛されないグレー・レンズマンとなり……。

EEスミスの名作。宇宙狭しと駆け回る無敵レンズマンの活躍が熱すぎる。1930年代のSFとは思えないぐらい古さを感じ……感じるか(笑)逆にだからこそ宇宙に対する空想も膨らんでいて素晴らしい作品になっている。いかにも強気なアメリカ娘のマクドゥガル看護婦とキムのケンカが戦い続きの物語を癒してくれる。首領ヘルマスも頭のいい男ではあるが、キムには敵わないのだ。

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2018年1月18日 (木)

内山融 #小泉政権

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冗談でも何でもなく俺の人生、人生計画は小泉純一郎によって破壊された。国策が自分に大きく関わるなんて事が起こるとは思わなかった。横須賀の道端で呑気に芸人とビデオ撮影していた息子にも会った事があるが、流石に殺意を覚えた。もう少しで国会議員の殺人犯で有名になるところだったよ(笑)

内山融氏による「小泉政権」は「パトス(情念)の首相」が何を変えたのか客観的に検証している。ページ数の関係で社会保障改革等については割愛しているが、概ねのところは網羅しており満足のいく内容だった。内輪の自民党員ではなく国民を味方につけてポピュリストとして改革を力強く実行した経緯もわかりやすい。また、情念の人物だったからこその成功と失敗も描いている。確かに既得権益にしがみつく55年体制を弱体化させたのは大きい。しかし、独立採算制だった郵政を民営化した結果は?派遣の自由化は?ただ、内山氏は格差の拡大は小泉改革以前から始まっていたとは語り、そこは慎重だ。他にも己の信条を大切にするあまり、靖国神社参拝も頑なに実行し、近年のアジア関係を悪化させたと指摘する。

まぁ、俺も私怨から悪く書きがち。ただ、この本を読んで確かに小泉純一郎は只者ではなかった事が理解できた。実は首相になる前から俺は恐れていた。明快な主張ができる人物に愚かなる国民は弱い。それは歴史が証明している。

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2018年1月 7日 (日)

日本人の生態 #菊と刀

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ルース・ベネディクトの「菊と刀」は大東亜戦争にて勝利が確実になった米国が日本をどうやって占領したらいいのか参考するために書かれた研究書である。プライムリーディングで読了。

なかなかのボリュームなので読むのは大変だった。にしても来日もしてない女性が、ここまで日本人を研究しているのは信じられない。ところどころ間違いもあるが、それを差し引いても日本人の本質にここまで迫っているのは凄いとしか言いようがない。

「日本人は階層的な上下関係に信頼を寄せており、それは人間関係や人と国家の関係における基本になっている」
「恩は、このように世話になったことに対する返礼を暗に示している」
「典型的な日本人の気分の揺れ方は、ひたむきに打ち込んでいると思ったら、一転してふさぎ込むという経過をたどる」
「大人になっても人に笑われると、このような子供時代の感覚がよみがえる」
「日本の将来を鬱える指導者が、国家の再建にあたって特に注意を向けて取り組むべき事柄は、いじめの問題である」

などなど……鋭い指摘が突き刺さる。これが既に戦中・戦後すぐに発表されていたとは全く信じがたい。一億玉砕を覚悟していた日本人が天皇陛下の一声でアメリカ人を大歓迎する事に。しかし、その奇怪な行動の変化も日本人にとっては矛盾ではないのだ。私もいじめ問題っていうのは日本人の根深い上下関係重視が大きく関わっていると思う。未だに全く解決できてないのは情けない事だ。

しかし来た事もない日本人をよくもここまで分析したなと思う。東洋の敗戦国という感情的な見方ではなく、飽くまで客観的に日本人の生態を歴史も絡めて考察している。こんな国に負けた事は決して恥ではないと思う。

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エイプリルフールに百歳で死ぬということ #奥田徹

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プライムリーディングで読了。この表紙どこかで見たような。長いタイトルだが、掌編小説集。著者は映像関係の人とからしく確かに映像が目に浮かぶような感じ。ショートムービーっぽい。タイトルになった小説は亡くなった祖父との思い出を綴った内容だ。常に前向きに生きていた祖父に励まされて来た主人公。披露宴で詩吟を歌った姿が印象的だ。祖父の死んだのが四月一日というのが、まるで死が嘘のように感じられて興味深い。

「自転車を盗んだ」というのが面白かった。イライラした少年が自転車を盗むが、途中でチェーンが外れたところを女性に直してもらって気分がほぐれて元の場所に戻すだけの内容だが、心境の変化が爽やかだった。

それぞれ短すぎるので読む方もシチュエーションをいちいちリセットするのが大変。余りムラがないのは凄いんだけど、宇宙人である事を告白する作品あたりは微妙だったかな。

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2017年12月24日 (日)

未完少女ラブクラフト #黒史郎

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プライムリーディングで読了した「未完少女ラブクラフト」。美少女にしか見えない美少年カンナ。突然、異世界に(笑)。そこで美少女ラブと出会い帰る方法を探すためにラブの恩師を探すのだが……。

なかなか面白かった。凄く詳しいし脚注も多くて親切。神に寄生された弱弱しいはずのカンナが無敵になるところは爽快感がある。ぶっきらぼうなラブが可愛いし、他のキャラも生き生きしている。クトゥルーだけでなく色んな神話の存在が出て来て楽しめるだろう。表紙がラブクラフト全集を意識していて凝ってるが、中のイラストは微妙。とはいえ他のクトゥルー+美少女のネタ同様に許せない。まぁ今時は美少女と美少年も出しとかないと売れないんだろうな。呪われろ。ラブが愛という言葉が話せないって言っても名前が「ラブ」じゃん……。生きてる禁書って、どこかで聞いたよね……。

何かこの人、売るために売れそうな要素を全部突っ込んだんじゃないだろうか。こんだけ色々と詳しいのに何か勿体ない感じはする。今時は小説も売れないから苦肉の策だったのかも。この間読んだ小説でもヒロインが10歳ぐらいだったし、気持ちは十分わかるけど、大人の男が10歳ぐらいの女の子にドキドキしすぎるの流行ってるのか。ぁあぁ、女の書く小説は中年女性が不倫ばっかりだし、世の中は病んでる……。

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2017年12月 6日 (水)

薬師寺涼子の怪奇事件簿 #田中芳樹

これは買った本。たまには田中芳樹でも読もうと思って買った「東京ナイトメア」。どうもシリーズものらしい。金持ちでスタイル抜群の超美人の高飛車女・薬師寺涼子警視が事件を解決?する。主人公は泉田準一郎警部補で涼子からいつも「忠臣」扱いされ遊ばれている。

親戚の結婚式場に死体が投げ込まれた。投げ込んだのは奇怪な姿をした有翼人。事件を追って行くうちに怪しげな組織の管轄するビルに辿り着く。そこへ潜入するのだが……。

エロアニメーターの垣野内成美がイラスト担当。まぁまぁだが、何か分かってない。田中芳樹がストレス発散に書いてたというだけの事はある。涼子は傍若無人で権力に縛られない。そのくせ泉田君にだけは甘いところがある。ライバル?室町由紀子も巻き込む。はっきりいって内容は80年代アニメにあったような内容。魔術とか古の怪物とか安っぽいが、これは中高生向きライトノベルと考えると悪くない。涼子には魅力感じないが、由紀子の方はなかなかよかった。

ところで小説におけるサービスシーンて意味あるんだろうか。アニメやドラマじゃないんだから頭の中で想像するしかない。でもフランス書院とかあるしなあ。涼子&由紀子の燕尾服網タイツ姿はサービスシーンなのか考え過ぎなのか。そういやラノベもエロいシチュ多いよな。映像・画像のないエロは無価値とかいう俺は少数派なのか。考えさせられた一作である。後半は美女二人が脚線美で読者を悩殺するので是非お読みください。その脚線美は拝めないけど(笑)

(追記)・京子じゃなかったので訂正(笑)何かシリーズの「海から何かがやってくる」をやたら批判している人がいて笑った。現実の問題を子供向け小説に取り入れて自爆したのは「おジャ魔女どれみ」も同じだな。エンタメとして失格じゃん。

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2017年11月28日 (火)

文藝春秋SPECIAL2015秋 #戦争

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プライムリーディングにて読了。文藝春秋SPECIAL2015秋の昭和史大論争ということで第二次世界大戦(大東亜戦争)について様々な方が意見を述べている。

磯田道史の「戦前エリートはなぜ劣化したのか」が面白かった。三期めに明治半ばから終わりに生まれたエリート、東条英機や近衛文麿、米内光政を挙げている。明治政府による身分制度の徹底した否定と能力主義が劣化の原因としているが、なかなか鋭い。

他にも原剛「「南京事件」の総決算」も冷静な分析が興味深かった。実際どうやっても今の中国の示している犠牲の数は有り得ないのだ。日本軍の捕虜対策が不明確、日本人の中国人に対する蔑視感、中国軍の民衆保護対策の欠如などが原因と指摘している。

さらに星野了俊「戦略なき作戦ミッドウェーの真の敗因」では山本五十六の度量の大きさと人情味が部下を信頼しすぎる事になり結果として作戦の意図を確実に伝えられなかったと考えている点は確かにありそうだと思った。

木村幹「慰安婦問題なぜ冷戦後に火が付いたのか」。日本政府の稚拙な対処、冷戦終結による急激な経済発展を遂げた韓国が発言力を増して抑えて来た日韓基本条約体制を見直そうというのである。その最前線となっている問題なのだ。これとは別に三浦小太郎が「年表で読む歴史認識論争」というのも掲載されていて分かりやすい。

などなど盛りだくさん。一口で戦争反対といっても何で戦争になったのか、何が起こったのか、どうして負けたのかを考える事も少しは必要かと思った。それに手助けになる本だろう。一度でも戦争してしまうと終戦となった後でも戦争は続いてしまう。そして単純に過去のものとしてしまっては戦うことも出来ずに亡くなった人達も浮かばれない。そもそも被害者面もできない。司馬遼太郎は「はじめてヨーロッパ文明と血みどろの対決をしたのが、日露戦争である。その対決に辛うじて勝った。その勝った収穫を後世の日本人は食い散らかした」と表現している。我々は食い散らかされた後始末をしなければいけないのだろう。

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